■すぺよん■
by暇博士さん

暑いのが御好き


ふぅ……と息を付きながら、どことなく寂しそうに鈴魚姫が呟いた。


「そろそろコタツが恋しい時期じゃのぉ……」

「「…………」」


それを聞いていたシローと極楽丸が、たがいに顔を見合わせて溜め息をついた。


「姫さまが去年の冬に酔っ払って……」

「…ぶっ壊しちまったから、コタツは無いぞ」

「えぇーーーッ!!!???」


二人の言葉に、鈴魚姫の顔に稲妻のようなものが走った。




鈴魚姫さま、慌て慌て。

「い、いますぐ買ってくるのじゃ!」

「今年は寒くなるのが早かったから、もう市場では売切れてるみたいです」

「ッ!?」


はうぅッ! っとシローの言葉にショックを受ける鈴魚姫。


「じ、じゃあ職人を呼んで作らせるのじゃ!!」

「売り切れに伴い職人たちは大忙し。 早くても来るのは3ヶ月後……だとさ」

「ッッ!!?」


えぇーーーッ! っと、極楽丸の言葉に更にショックを受ける鈴魚姫。


「だったら………ちゃぶ台に布団をかけて、シロちゃんが中に入って、余の足元を炎で暖めるのじゃ!




「ええッ!? ボクがですか?」

「そうなのじゃ!」


鈴魚姫の言葉に、今度はシローがびっくり。


「ボクが中に入って……」

「うむ!」

「暖かくなるように加減して、姫様の脚元に火を………」

「うむ! その通りなのじゃ!」


すごいことを考えただろ! と言わんばかりに、自慢げに貧相な胸をはる鈴魚姫。



一方シローは…

「………。……○△……■…………!!!」

何を想像したのか、顔を真っ赤にしてぶっ倒れた。


「ああ、シロちゃん!! どうしたのじゃ!? シロちゃんには余の足を暖めると言う重大な役目が―」

「姫さん、自分が言ってることの意味に気付けよ」


傍で様子を見ていた極楽丸が、溜め息をついて鈴魚姫を諭した。


一言後書き ラブコメ風味に……出来たのか?  



誕生日祝いに頂きました。
某姐さんの影響でネタがえっちいくなったかも、との事でしたが。
いやいや大丈夫ですよ!むしろ可愛い可愛い。
これが殿と不如帰の場合だったら殿の方が堂々と
『一緒の布団に入ってお前の体で俺を暖めてくれよ』
とか言いそうですがね。それこそ裏行きだよ自分。
シロー君には純情一直線でいってほしいですね。
ああ少年少女は見ていてほのぼのするなぁ(しみじみ
ありがとうございましたー!


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