暑いのが御好き |
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ふぅ……と息を付きながら、どことなく寂しそうに鈴魚姫が呟いた。 「そろそろコタツが恋しい時期じゃのぉ……」 「「…………」」 それを聞いていたシローと極楽丸が、たがいに顔を見合わせて溜め息をついた。 「姫さまが去年の冬に酔っ払って……」 「…ぶっ壊しちまったから、コタツは無いぞ」 「えぇーーーッ!!!???」 二人の言葉に、鈴魚姫の顔に稲妻のようなものが走った。 |
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鈴魚姫さま、慌て慌て。 「い、いますぐ買ってくるのじゃ!」 「今年は寒くなるのが早かったから、もう市場では売切れてるみたいです」 「ッ!?」 はうぅッ! っとシローの言葉にショックを受ける鈴魚姫。 「じ、じゃあ職人を呼んで作らせるのじゃ!!」 「売り切れに伴い職人たちは大忙し。 早くても来るのは3ヶ月後……だとさ」 「ッッ!!?」 えぇーーーッ! っと、極楽丸の言葉に更にショックを受ける鈴魚姫。 「だったら………ちゃぶ台に布団をかけて、シロちゃんが中に入って、余の足元を炎で暖めるのじゃ!」 |
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「ええッ!? ボクがですか?」 「そうなのじゃ!」 鈴魚姫の言葉に、今度はシローがびっくり。 「ボクが中に入って……」 「うむ!」 「暖かくなるように加減して、姫様の脚元に火を………」 「うむ! その通りなのじゃ!」 すごいことを考えただろ! と言わんばかりに、自慢げに貧相な胸をはる鈴魚姫。 |
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一方シローは… 「………。……○△……■…………!!!」 何を想像したのか、顔を真っ赤にしてぶっ倒れた。 「ああ、シロちゃん!! どうしたのじゃ!? シロちゃんには余の足を暖めると言う重大な役目が―」 「姫さん、自分が言ってることの意味に気付けよ」 傍で様子を見ていた極楽丸が、溜め息をついて鈴魚姫を諭した。 |
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一言後書き | ラブコメ風味に……出来たのか? |
誕生日祝いに頂きました。 某姐さんの影響でネタがえっちいくなったかも、との事でしたが。 いやいや大丈夫ですよ!むしろ可愛い可愛い。 これが殿と不如帰の場合だったら殿の方が堂々と 『一緒の布団に入ってお前の体で俺を暖めてくれよ』 とか言いそうですがね。それこそ裏行きだよ自分。 シロー君には純情一直線でいってほしいですね。 ああ少年少女は見ていてほのぼのするなぁ(しみじみ ありがとうございましたー! |