おちたてんしのはなし。 天使は堕天使となりました。 神の怒りに触れてしまったからです。 闘いの神と謳われる、一人の、罪深き人間を、愛してしまったから。 天使がまだ人間であった頃、闇の中にいた天使に光をみせてくれた人。 外へと歩きだす、勇気をくれた人。 ただ、その一人の人間のために、天使は戦いました。 天使が人間としての生を、病におかされ、終えようとする、その最後のときまで。 ひたむきに真っ直ぐな天使の魂を、神は見止め、天使として新たな命を吹きこみました。 新たな命が吹きこまれると、生前の記憶は全て失ってしまう。 天使を闇から救いだしてくれた人間の事も全て忘れてしまう。 だけれど、天使は再びその罪深き人間と出会い、そして、愛しました。 記憶はなくとも。 天使は、人間を再び愛したのでした。 神は怒りました。 ただの人間であるのならまだしも。 天使が愛したのは、神をすら凌ぐとも言われる、闘いの咎人。 神が改めよといっても、天使は決してその想いを変えませんでした。 天使にとって、咎人は、何よりも大切だったのです。 そして咎人もまた、天使を愛したのです。 たとえ記憶がなくとも、目の前にいる天使はまぎれも無く、あの時の真摯な瞳を持った者だから。 神は怒りました。 神は天使の翼を折り、堕天の刻印をつきつけました。 折られた白い翼は黒く染まり、天使は地へと堕とされました。 けれども。 咎人は、堕ちた天使であろうとも、天使が天使であるのならばかまわないから。 人間から天使へとなった己を、かわらず想ってくれたように。 自分が別の自分となってしまっても、変らないものを見つけ出してくれたように。 咎人と堕天使。 二人は罪背負いし者として、地上で生きました。 そして天使は堕天とされても、罪背負いし者だとしても。 人であった頃からそうである、真摯な瞳は変りませんでした。 咎人がまぶしく想った、真っ直ぐな夜明けの色。 変らずに咎人を想う心のままで。 たとえ泥にまみれようとも。 たとえ異端だと蔑まれようとも。 たとえ畏怖の象徴として恐れられようとも。 変らぬその想いこそ真実だと。 ─────それが罪だというのならば。 その罪ごと生きぬきましょう。 諦めず、放棄せず、投げ出さず。 かわらずにあの人を想いましょう。 この世界が、泡沫の夢であったとしても。 今ここにいる事が。 今ここであなたを想うことが。 自分にとって何よりの現実。 やすい戯言だと。 飾りたてた綺麗言だと。 上辺だけの信念だと。 思うのならば、思ってください。 先の事はわからない。 だからそう思うのも道理。 けれど。 最初は虚像だったとしても。 いつしかそれが己の中で真実になることもある。 先の事がわからないのならば、この想いが偽物だと、どうしていえようか。 正も濁も飲みこんで。 泥にまみれ、血で手を染め、罪でその身を汚しましょう。 されど、今、この時。 ここで、この場所で、あなたの傍らで。 あなたを想うこの想いは、まぎれもない、本当の心。 天使は堕天使となりました。 神の怒りに触れてしまったからです。 闘いの神と謳われる、罪深き人間を愛してしまったから。 けれど天使は幸せです。 進む道が先のみえない闇でも。 確かに今、この時。 何よりも、幸せなのです。 02/12/27 ブラウザの戻るでおもどりを。 |
あんまり壁紙のイラストとリンクしてないお話。 ちなみにこれはヴァラノワールのスカーフェイスの事情(特に母親)を知らないとわかりません。 とかいいつつ私もスカーフェイスのイベント全部見てないけどね!!(まてこらおい 元天使で堕天使になって、闘神さんとの子供一人で育てて、まわりに迫害され続けてそして亡くなってしまった人。 (そうなると息子の設定がジャドウとそっくりってのは黙認ってことで) それだけの設定からイメージふくらませて。 すみませんごめんなさい。勝手に作りあげちゃいました。天使アル。 ご都合主義でふざけんなと思われるとおもいます。はいそのとおり。 でもいきなり現れてなんの経過もなしに天使と闘神さんの子供ですっていわれてもちょっと待て状態っすよ!! 息子さん!!それに奥さん!(結婚はしてないとは思うが。 いやアルもいきなり登場だったですけどね。 でも4年間待ってやっとウェイブさんにむかえてもらったし。 それをいきなり…。 ウェイブさんだってアルのこと大事だったと思うのは間違いないとおもうし。 まぁ愚痴はおいといて。 ちなみに天使さんが実はアルなのよーと無茶苦茶な設定してるわりに、ラストが違うじゃないかとつっこまれると思います。 何でかっていうと、アルなら何事にも立ち向かっていきそうなので。 だったらウェイブさんからはなれるのはおかしーなーと。 相手を思って別れて遠くで想うっていうのもいいかもしれません。 でもある意味それは裏切りで逃げな気がしないでもないんですよね。 これよんで、何きれいごと言ってる!とか、うわ寒!言葉では何とでもいえるだろ!とかおもわれてるだろうなぁ…。 だけどそれだけ相手を想うんなら、一緒に頑張ってみましょうよ。 相手が明らかに迷惑で別れてくれーっていうんならともかく。 確かに世の中はそんなに甘くはなく、別れざるをえないことも多々ありますが。 なんていうか。 所詮世の中はそんなもんさ、とおもって、お話ですら「めでたしめでたし」になるわけないじゃないかって、悲恋とか哀しい排他的なお話が受けるのもどうかと思うです。 しかし嫌いじゃないですよ私も。そういうの。 幸せになったら萎えるとか、別れて切ないからこそいいんじゃないかとかそう言うのもわかるんですが。 でもそれ以上に、私は『よかったね』と言えるのが好きで。 哀しくとも、そこで終わらずにそれを乗り越えていこう、と言う方が好きです。 かと言って無茶苦茶な設定で無理に、はいめでたしにしたよ、って言われるのはちとなぁ。 すみません。わがままで。ごめんなさい。 ともあれ。 やっぱり私は、ウェイブさんには、アルなんですよね。 ここまで読んで下さった人におまけ。 壁紙の色合い別バージョン。 ■ |